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『竜馬がゆく』7巻【感想】

   

 『竜馬がゆく』を読んでいると、集中力が途切れてしまう事があります。

  もともと知っている話だからという理由が大きいとは思いますが、わざわざ時間を割いてこの本を読む価値はあるのか、という葛藤が無いわけではありません。

   しかし、七巻を読み終えた時、この『竜馬がゆく』という本が、なぜ実業家に好まれるのかという理由がわかったような気がしました。

 

『竜馬がゆく()』 あらすじ ~閃めく竜馬~

  

 同盟した薩摩と長州は着々と討幕の態勢を整えていきます。

  竜馬はこの薩長に土佐等を加えた軍事力を背景に、思い切った奇手を思いつきます。

   それは、大政奉還という幕府のもつ政権をおだやかに朝廷に返させようというものでした。

  無闇な内乱を避け、外国に侵食する暇を与えず、京で一挙に新政府を樹立する無血革命方式でした。

   と、いうのが七巻のあらすじです。

 

 

司馬遼太郎『竜馬がゆく』が事業家に好まれる理由

  

 私は七巻を読んでいて、数々の事業家が何故この小説を好むのかがわかったような気がしました。

 

   国内初の株式会社"海援隊"を発足した竜馬は、これまでのキャリアを生かし順調に実績を伸ばします。

   念願の蒸気船"いろは丸"も手に入れ、これで海洋運輸ビジネスも軌道に乗せることができると思っていた矢先に、いろは丸は操舵を誤った幕府の船に激突され、積荷ごと沈没します。

 幕府には逆らう事が出来ない時代です。事故や損害賠償という概念すらありません。

 

   ビジネス的にも精神的にも致命的なダメージをうけた時こそ、竜馬は闘志を燃やします。

    どうやったら損害賠償を求める事ができるか、どうやったら船の仇を取れるか、考えに考え抜いた結果、竜馬はこの船舶事故をきっかけに幕府を倒す方法を閃きます。

 

   以上の流れは、事業の創業者だけでなく、全ての企業やビジネスに関わる人々にとって、自身の体験と重なり、胸が熱くなる展開なのではないでしょうか。

   

まとめ

  

 私は小さな自営業を営んでいるからこそ、こういった経済的なピンチをチャンスに変えるエピソードに勇気をもらいます。

 

   きっと、これを読んだ沢山の人々も竜馬の活躍に勇気をもらったのでしょうね。

    

   私もその一人になれたような気がしました。諦めず読んでいてよかったです。

  『竜馬がゆく』も残り一冊。ラストに向かってじっくり読み進めたいと思います。

 

司馬遼太郎:『竜馬がゆく()(1975,9,25)新潮文庫

 

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