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小説『一九八四年』から考える未来

  

  

SF(サイエンスフィクション)と聞くと苦手な人も多いかと思います。

   ピンとこない、意味がわからない、読んでも役に立たない、などが人気の無い理由なのではないでしょうか。

 

    この『一九八四年』という小説はSF小説の古典でありながら、「これって、もう実際に起きているのでは?」と思えてしまうほど、現実的で、恐ろしく、読み進める手が止まらない傑作小説です。SFが苦手な人もきっと楽しめる事を保証します。

   "その国の人々は、当局(政府)によって、ほぼ全ての行動が監視されています。

   主人公は貧困と体調不良で苦しい日常を送っていますが、意を決してある事を始めます。

   ある事とは「日記を書く」事です。

   その行為が見つかれば死刑か25年の強制労働です。しかし、主人公は人間らしく生きる事に憧れ、誰にも読まれる事の無い日記を書き始めます。"

   作中の世界は3つの超大国に分割されていて紛争が絶えません。テレビでは毎日のように敵の非道さと、自国の英雄の成果を放送していて、主人公は歴史記録の改ざんをする部署に配属された役人です。

   よく似た話を最近ニュースで見ませんでしたか?

 

   『一九八四年』が出版されたのは1948年です。作者は36年後にこの作品のような未来を予測しました。

    2020年の今、私達の住む世界が『一九八四年』のような世界でない事を祈ります。この作品は国家や政治が絶対に向かってはいけない未来が描かれています。

   それが一体どんな世界なのか是非読んで確かめていただけたらと思います。

 

   そこから、そうならないためにどうするか、何ができるかを考えてみることが自分の将来、家族の将来を考えるという事なのではないでしょうか。

 

ジョージ・オーウェル『一九八四年【新訳版】』(2009.7.18)ハヤカワepi文庫

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