※ 今回の感想は、ストーリーのネタバレに触れますので、観賞予定の方はご注意下さい。
私は幼少の頃からスター・ウォーズが好きなので、その分思い入れも強いです。新作を観賞するたびに、感動したり、ガッカリしたり、を一旦全部飲み込んだ上で、最終的には出来るだけ好意的な意見に落とし込む、というスタンスです。ですので、「エピソード9『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』がたとえどんな作品でも、好意的に受け止めてみせる!!」といった気概で観賞しました。「ちょっと何言ってるかわからない」と思った方は、あくまで個人的な一意見として読み流して下さい。
結論として、そのような気概は不要でした。エピソード7から始まった新たなスター・ウォーズシリーズを、見事にまとめ完結させたと思います。まとめの天才 J・J・エイブラムス監督の手腕が見事に発揮されていると思いました。
レイがパルパティーンの孫という設定も、私は気に入りました。唐突な設定に思えるかもしれませんが、エピソード8で描かれた血縁や古き伝統からの解放から、エピソード9ではさらに対極の存在までも受け入れようとする、という流れが、ジェダイの進化をあらわしているようにも感じました。
カイロ・レンも良かったです。登場時から「中二病」と言われてきましたが、中二とは誰しも(?)が通った経験であるが故に、彼に共感せざるをえない人は多いでしょう。同時に、彼が中二病を乗り越えていく過程にも、共感・感動できる部分は多いはずです。
D-0が予想以上に良かったです。予告編を観た時、ドロイドをさらに増やすのは劇中の違和感にならないかと危惧しましたが、全くそんなことはありませんでした。過酷なトラウマを持った子犬が、良い飼い主に恵まれ、少しずつ生きることの喜びを取り戻していくといった、まるで「天才!志村どうぶつ園」のような感動を覚えました。
印象的だったシーンはやはりラストです。ゴミ漁りと言われたジェダイ騎士"レイ・スカイウォーカー"。自らの手で創ったライトセーバーの色が、朝の太陽のような優しい黄色で、まさしく新たなステージの夜明けを象徴しているかのようでした。いつかまた別のスター・ウォーズ作品で登場してくれることを待ち遠しく思います。
以上、大団円を迎えた『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の感想です。
様々な意見があると思いますが、否定派も肯定派も、それぞれの視点で楽しむ事がスター・ウォーズシリーズの健全な楽しみ方でしょう。映画という文化の基礎教養として全9作品、全ておすすめします。
監督:J・J・エイブラムス『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』2019