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映画『パラサイト  半地下の家族』からみる韓国映画の邦画とは違う面白さ

  

 ポン・ジュノ監督作品でカンヌ国際映画祭パルムドール受賞となれば観ないわけにはいきません、早速映画館へ出向き鑑賞してきました。

"  半地下住宅で暮らす貧しい4人家族は、しがない内職で日々を繋いでいます。

   ある日、長男のギウは友人から家庭教師の代打を頼まれます。向った先はIT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸。

    持ち前の機転でパク一家の心を掴んだギウは、妹をもう1人の家庭教師として、父親を運転手として、母親を家政婦として、パク一家に関わる仕事を自分達の家族で独占することを計画します。

   計画は予定通り順調に進みますが、大豪邸に隠されたある秘密をきっかけに、物語は想像を遥かに超えた方向へ進んでいきます。"

 日本人にとってとても馴染みのある物語のセオリーの中に"起承転結"というものがあります。

   4コマ漫画などに多く用いられる手法ですが、無駄を省き洗練された最小のパーツで完成度を目指すという手法は、とても日本的であると思います。特に国内で制作される邦画はこの起承転結で構成されている作品が多いと感じます。

 

   対して、韓国映画は、起承転、起承転、起承転のように、型に囚われず、物語が怒涛のように展開していくスタイルが多く用いられます。

   洗練されたものを美しく思うがあまり、ストーリーの整合性に囚われ過ぎてしまった日本人(私だけかもしれませんが)は、起承転のあとにまた""が来ると、「何っ!?」となってしまいます。

 

    この予想を超えた展開に「何っ!?」となる瞬間が韓国映画の面白さなのではないでしょうか。

    韓国ドラマも含め、韓国作品が人気の理由も、日本のドラマに比べて予想が出来ない展開、もしくは日本人があえて避けてしまう展開を、韓国作品は恐れずに表現していることが、面白さの理由ではないかと考えます。

 

   映画『パラサイト  半地下の家族』も予想を超えた展開が満載でした。

   タイトルにあるパラサイトとは寄生生物という意味です。富裕層の家族を宿主として寄生生物のように生きる家族が果たしてどのような結末を迎えることになるのか、是非ご覧になって確かめて欲しいと思います。

 

   あまり韓国作品に馴染みのない方も、パルムドール受賞作品ということもきっかけに韓国映画を楽しんでみてはいかがでしょうか。

   きっと邦画とは違う面白さを味わえると思います。

 

監督:ポン・ジュノ『パラサイト   半地下の家族』2020 PG12

 

 

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