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映画『ワンダー 君は太陽』を観る前に感じた3つの不安

  

 映画『ワンダー 君は太陽』は、全世界で800万部以上を売り上げたRJ・パラシオのベストセラー小説「ワンダー」を、「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボウスキー監督・脚本で映画化したヒューマンドラマです。

    私はこの作品の原作小説のファンだったので、映画化すると聞いた時は、期待と同時に不安を感じました。

  不安を感じた点は3つです。

 

1・原作『WONDER ワンダー』を超えられるのか

2・映画『ワンダー 君は太陽』で『スターウォーズ』はどう引用されるか

3・オーガストの顔はどう表現されるのか

 

  その不安について、またその不安が、映画を観た後に解消されたかについて詳しく解説していきます。

 

映画『ワンダー 君は太陽』 あらすじ

"  ごく普通の10歳の少年オギーは、生まれつきの障がいにより、人とは違う顔をもっていました。

   幼い頃からずっと母イザベルと自宅学習をしてきた彼は、小学5年生になって初めて学校へ通うことになります。

   はじめのうちは同級生たちからじろじろ眺められたり避けられたりするオギーでしたかが、オギーの行動によって同級生たちは少しずつ変わっていきます。"

 

 

映画『ワンダー 君は太陽』を観る前に感じていた不安3

 原作『WONDER ワンダー』のファンである私が、映画『ワンダー 君は太陽』を観る前に感じた不安3つについて、また映画観賞後にその不安が解消されたかどうかについて話します。

 

原作『WONDER ワンダー』を超えられるのか

  

 原作『WONDER  ワンダー』は小説の中でも児童文学のジャンルにあたります。それゆえに幅広い層に読まれ愛された作品です。

   主人公のオーガスト(オギー)の独白で始まる物語は、

 

パート1・オーガスト

パート2・ヴィア

パート3・ジャック

 

というふうに、各章が登場人物の目線で描かれ、主人公オギーの周りに起きるエピソードを、それぞれの登場人物の独白によって、物語の全容が補完される構成になっています。

   この構成によって描かれる、それぞれの登場人物の想いが明らかになっていく手法によって、読み終えた時の感動が何倍にもなる仕組みです。

 

   小説ならではのこの手法が、映画化するにあたり損なわれてしまうのではないか、というのが一つ目の不安でした。

  

  鑑賞後、この点に関しては全く問題ないと感じました。

   原作のニュアンスを壊さず、とても優れた演出と脚本でした。

   監督を含めた、全てのスタッフがこの原作を大切に感じていることがとても感じられました。

 

映画『ワンダー 君は太陽』で『スターウォーズ』はどう引用されるか

 

   主人公のオーガストはスターウォーズマニアです。そのため、原作では随所にスターウォーズの引用が随所に出てきます。

 オーガストが障がいを持ちながらも、普通の子ども達と変わらない価値観を持っているという象徴として、スターウォーズが大好きであるという個性はとても重要です。

 

   2つ目の不安は、このスターウォーズの引用が著作権的にどこまで使えるのか、という心配でした。

 

  鑑賞後、この点に関しても全く問題はなかったと感じました。スターウォーズに限らずサブカルチャーを扱った引用はしっかりと描かれています。

  原作全体に溢れる、サブカルチャーに対するリスペクトがきちんと描かれていました。

 

オーガストの顔はどう表現されるのか

 

 原作の冒頭にこうあります。

 

"ところで、ぼくの名前はオーガスト。オギーと呼ばれることもある。外見については説明しない。きみがどう想像したって、きっとそれよりひどいから。"

 

  この部分を読んだ読者はどのような容姿を想像するでしょうか。

   

  映像化するにあたり、オーガストの顔をどう表現するかはとても重要な問題です。

  あまりショックを受けるような容姿にしすぎてしまうと、観客は作品の内容に集中出来ず、ソフトな表現にしすぎてしまうと作品のテーマが薄れてしまいます。

  オーガストの容姿をどう表現するかこの作品にとってとても重要な問題です。

  どの様な容姿として描かれるのかはとても興味がありました。

 

  鑑賞後、この容姿の表現に関しては少し手加減をしたかな、と思いました。

  私は、原作を読みながら、オーガストの容姿とオーガストの内面の豊かさとのギャップがあればあるほど、物語のカタルシスが生まれると思っていたので、映像として表現されたオーガストを見て、少しマイルドな表現に修正されたような気がしました。

 

   しかし、2回目に鑑賞した時、ある事に気付きました。

   原作にはオーガストは生まれてから今に至るまで27回手術をしたとあります。

   私は勝手に、身体や臓器の機能に関する手術だと思っていたので、顔の形成に関する手術も含まれているとは思っていませんでした。

   映像を見るとあきらかに手術を繰り返した顔として表現されていたことに気付き、私は容姿の表現を手加減しているという認識を改めました。

   容姿に関しても、繰り返し行われた手術によってようやく顔の成形を保ったと見えるような絶妙なバランスに表現されていると思います。

 

 

まとめ

  

 映画『ワンダー 君は太陽』は私の感じた3つの不安を全て乗り越えてくれた作品でした。

   原作同様、とても素晴らしい作品だと思います。

   

   字幕と、吹き替えと、両方観ましたが、オーガストの日本語吹き替えがとても良かったです。

   

    家にいる事が多くなってしまったこの機会に、是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。

  映画も原作もどちらも自信を持っておススメします。

   今ならAmazonプライム・ビデオでも観ることが出来ます。

 

 

監督:スティーブン・チョボウスキー『ワンダー 君は太陽』2017

 

 

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