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『竜馬がゆく』1巻【感想】

 

 私には、死ぬまでに読まなければと思っている長編小説が二つあります。

   一つはプルーストの『失われた時を求めて』もう一つが司馬遼太郎の『竜馬がゆく』でした。

 

   坂本龍馬に関しては漫画も映画もドラマもいろいろ見ているので大体の事は知っているつもりです。なので『竜馬がゆく』は時間ができたらそのうちと思っていました。

    後回しにしていた理由はもう一つあって、この本は若い時に読むべき本だと勝手に思っていました。

  20歳前後に「坂本龍馬のように俺はなる!」みたいなモチベーションになるために読むものだと思っていたので、若くない私が今更読んだところでと思っていた事も事実です。

  しかし、『竜馬がゆく』を"人生で最も影響を受けた本"にあげている人がとても多く、そこまで言うならと思った事と、中古でとても安かった事を理由に今回読んでみることにしました。

 

『竜馬がゆく()』~モテモテの竜馬~

   竜馬がゆくの第1巻は、竜馬が生まれてから23歳までの物語です。

   まだ、一巻ですがすでに竜馬にはまりつつある自分を感じます。

  竜馬はとにかくモテます。

  老若男女、泥棒や、刺客まで、竜馬の魅力にみんながハマっていきます。

   ちなみに、この一巻だけで竜馬を恋愛対象として好きになる女性は、福岡家のお田鶴、千葉道場のさな子、深川の冴、岩本のお徳、計四人。ラノベか!と思ってしまうほどのハーレム状態です。

  

   一方、竜馬はというと、色情に溺れてはいけないという父の教えをしっかりとまもり、モテにはほとんど興味がありません。剣の修行と大好きな船の事ばかりです。マジメか!

 

    モテたいと思えば思うほどまるでモテないという経験をし続けた私は、モテを意識している限り決して竜馬のようにモテることはないと、今更ながら思い知らされました。

  やはりこれは20歳前後に読むべき本です。

  モテることに必死な20歳前後の自分に読ませてあげたかった

  

   続きが気になります。まさかこのラノベ状態が最後まで続くなんてことは無いですよね?

 

司馬遼太郎『竜馬がゆく()(1975,6,25)文春文庫

 

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