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自閉症と感情と

自閉症の息子とのコミュニケーションは全てが手探りです。

 

文献や専門家のアドバイスはとても参考になりますが、発語が困難な息子にとって、それらが正解なのか確かめる事は出来ません。なぜ怒っているのか、なぜ泣いているのか、いくら想像力を働かせても全く見当がつかないことばかりです。

でも、そんな時は息子の横に座り、その表情を見ながら、出来るだけ同じ気持ちになるようにしています。 笑っている時は一緒に笑い、泣いている時は出来るだけ一緒に泣きます。怒っている時は、一緒に怒っても仕方ないので、真剣にその怒りを受け止められるよう自分の心を支えます。このやり方を導入することで以前よりも落ち着いた日常が送れています。

 

実はこれは、私が自分で考えた方法ではありません。息子が私にしてくれた事なのです。私が落ち込んでいると、息子は私の横に座り、私の表情を見ながら同じような顔を作ります。

私が笑っていれば息子も笑います。感情を正確に理解しているとは思えませんし、きっと真似をしているだけなのでしょう。それでも、そんな息子の顔を見ていると、感情の発端や、理由は次第にどうでもいいような気持ちになっていきます。ただ一緒に同じ気持ちでいようとしてくれているだけで嬉しく感じるのだから、それだけでいいと思えてくるのです。

 

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