自閉症児のカットする際に最も必要な事は
"時間をかけること"です。
カットの時間をかける事ではありません。セット椅子に座りカットが出来るようになるまでの時間をかけるの事です。
まず最初はお子さんに店内を見てもらうだけでもいいと思います。その次は待合席で絵本を見てもらうだけでもいいでしょう。一緒に来られるご両親様や引率者様がカットをし、それを見てもらうのも効果的でした。お子さんが自分がすることの見通しを立てることが出来るからだと思います。
当然一回の来店で出来るとは限りません。何度も通いながら数回目にやっとセット椅子に座れたという場合もあります。でも、それでいいと思います。とにかく焦らずゆっくり時間をかけ、緊張を解きます。時間をかけて緊張が解けていったというプロセスが、そのまま私とそのお子さんとの信頼関係につながります。信頼関係が築ければ、そこからは施術がスムーズです。
私は今のところこの方法で成功しています。もし身近に困っている方がいたら、こんな方法もあると教えてあげて下さい。
今思うと、この方法は障がいを持ったお子さんに対しての方法というより、私が自分自身に"時間をかけろ"と言い聞かせることで、落ち着こうとしたことが始まりだったかもしれません。
美容師は技術の練習をする時に必ずタイムを計ります。昔、上司や先輩に繰り返し「急げ」と言われたことが時間内にというこだわりにつながっていたのかもしれません。
成功を焦らないことが成功の近道であると言います。私もそう思います。