"主人公のリー・チャンドラーはボストンで便利屋として生計を立てています。
ある日、リーは兄のジョーが心臓発作で亡くなったとの電話を受けます。故郷の町マンチェスター・バイ・ザ・シーに帰ったリーは、自分が兄の息子の後見人に選出されたことを知らされますが、自分に甥が養育できるだろうかという不安に悩みます。彼には家族にまつわる壮絶な過去があり、再び家族を持つということに向き合う自信がありませんでした。"
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』はとても素晴らしい作品でした。綿密に描かれた極上の人間ドラマでした。
心を閉ざしてしまった人間が、他者との関わりをきっかけに自身の過去と向き合う、という話は何回も見てきましたが、何回観てもいいですね。そういう話が大好きです。
この作品の一番の見どころは、演奏時間約10分の「アルビノーニのアダージョ」がフルで流れる中、淡々と描かれる主人公の壮絶な過去です。美しい音楽とその衝撃的なシーンが完璧に重なり観る者を圧倒します。
私も圧倒されながらそのシーンに見入っていたのですが、ふと、こういう映像体験を以前にも体験したことがある、と感じていました。既視感を頼りに記憶をたどってみたところ、見つけることができました。
「3年B組金八先生」第2シーズン24話「卒業式前の暴力・2」
中島みゆきの「世情」がフルで流れる中、加藤優達が警官隊に確保、連行、護送車を追いかける母、のあの超有名シーンです。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』にはあの有名シーンがありますよ!
監督:ケネス・ロナーガン『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2016年