現時点で、石けんシャンプーは実は使いにくいシャンプーです。サロンワークにおいて使うことはほぼありません。
仕上がり感が重く、他の施術との相性もよくありません。アルカリ膨潤、タンパク質変性の不安もあります。
それでも石けんシャンプーが好まれる理由は、天然成分由来であること、無添加であること、環境保護の観点、合成洗剤への嫌悪感などがあるでしょう。
自分の価値観に合った石けんシャンプーを使うことで満足出来るのであれば、それでいいというのが私の考えです。
石けんという洗剤は、原始的でとてもシンプルですが、そういう昔ながらのものを使う事で自然を感じたり、環境保護について考えてみたりもいいと思います。それまでのシャンプーに比べ体質的に合ったという人もいるでしょう。
ただ、一つだけ注意したほうがよいのは、自分が今使っているシャンプーが唯一の正解では無いという事です。
シャンプーの分野において、どのシャンプーが良いかという主義主張の分断は絶えません。
それぞれの主義主張の根拠や矛盾は、長くなるので割愛させていただきますが、マルかバツかの二元論で言い切れるほど、良いシャンプーの定義は単純なものではありません。
一つの商品に極端にこだわりすぎてしまうと、品質の良い新たなシャンプーや、自分に合ったシャンプーに出会う事は難しくなるでしょう。
現時点で、私は石けんシャンプーを使用していませんが、将来的には恒常的に使用しているかもしれません。
いろいろと商品を試し続けている過程で石けんシャンプーに出会ったのであれば、今はその出会いを楽しむ事が一番です。
長いお付き合いになるかもしれませんし、やめたくなったとしても、次に選ぶべきシャンプーの指針になるでしょう。