自閉症の息子が13歳の頃から薬物療法を始めました。
その頃、息子の問題行動は日に日に激しくなっていて、さらに睡眠障害もあったため、家族全体が憔悴しきっていた時期でもあります。
薬物治療に対する抵抗が無かった訳ではありません。
薬の副作用も不安要素の一つですが、最も抵抗があったのは、息子の人格を奪うことになるのではないか、と思ったことです。
薬によって感情や身体能力が大きく制御されてしまえば、問題行動は減るかもしれません。
しかし、薬によって苦痛が緩和されるということは、喜びの感情も鈍麻してしまうのではないかという不安を感じでいました。
結論を言えば、息子において以上のような不安は憶測でしかありませんでした。
投薬によって起きた具体的なネガティブなことは薬の副作用である体重の増加くらいかもしれません。
逆に、投薬によって得られた事といえば、情緒の安定、しっかりとした睡眠時間、規則正しい生活の体系化、問題行動の減少などが挙げられます。
危惧していた感情の鈍麻に関してはあまり感じられず、イライラが減り笑顔が増えたような気がします。
そのかわり投薬の量は徹底的に調整しました。
行動が鈍るようであれば減らし、情緒が安定しなければ増やす、ポイント的に頓服も交えながら、最適な量を時間をかけて見つけていきました。
現在でも息子の状態をよく観察しながら微調整しています。
体重に関しても運動と食生活をコントロールすることで、少しずつですが成果が出てきました。
将来的に薬をゼロにしたいと思うこともありますが、焦らず、拘らず、気長に取り組んでいきたいと思っています。
もし療育の一環として、薬物療法を迷っている方や不安を感じていらっしゃる方がおられましたら、相談していただければ、さらに具体的なお話しが出来るかもしれません。
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