『竜馬がゆく』も三巻になりました。
本が好きなお客様との会話で、「今、竜馬がゆくを読んでるんですよ」と言うと、「今まで読んだ事なかったんですか?」と驚かれます。
今頃『竜馬がゆく』を読んでいるのは、宇都宮で私だけかもしれませが、読みはじめてよかったと思っています。
『竜馬がゆく(三)』~出会う竜馬~ 脱藩をし浪人となった竜馬は、自分なりに攘夷とは何かを模索します。 日本の未来の為に国を出てみたものの、暴力的に激化する攘夷運動に対し、竜馬は疑問を持ち始めます。 江戸に戻った竜馬は、所縁の千葉道場に立ち寄りますが、そこの千葉重太郎も攘夷に夢中です。 しかも、攘夷の為に邪魔な奴がいるから、暗殺を手伝ってくれと頼まれます。 二人が暗殺に向かった相手は、勝海舟。 竜馬は勝海舟のわくわくするような将来の展望を聞き、勝海舟が大好きになり、その場で弟子入りを志願します。 この時竜馬は28歳。やっと人生の師と、自分の将来の夢に出会います。 この三巻で竜馬が出会ったものがもう一つあります。 のちに竜馬の妻となる"おりょう"です。
いくらモテモテでも、あまり恋愛には興味がなさそうだった竜馬ですが、おりょうに対しては態度が一変します。一目見ただけで完全に惚れてしまったことを自覚します。
私はシェイクスピアのこんな言葉を思い出しました。
"誠の恋をするものは、みな一目で恋をする。"
竜馬とおりょうの出会いはまさにこの言葉の通りです。
日々の生活の中で、出会いほど運命を感じる事はありません。
私にとって運命を感じるような出会いは、往々にして意図しないかたちでやって来ました。
そんな出会いを振り返り、竜馬と自分を重ねながら『竜馬がゆく』を読み進めています。
続きが気になります。
司馬遼太郎『竜馬がゆく(三)』(1975,7,25)文春文庫