炊飯器には必ず"早炊き"の機能があります。
私は時間に余裕があったとしても、あえて早炊きでご飯を炊きます。
なぜなら美味しいからです。
もともと硬めのご飯が好みなのですが、水を少なめにしてご飯を炊くと、当然ながらお米の艶は減り、みずみずしさは損なわれます。
中心に歯ごたえを残しつつ、みずみずしさは欲しい、そんな贅沢な悩みを炊飯器の"早炊き"機能が叶えてくれます。
早炊きで炊いたご飯が、私にとってはご飯の理想のご飯です。
問題は、それに気付くまでに数十年かかった事です。
炊飯器の早炊き機能は、単純にごはんの炊き上がる時間を短縮する機能で、炊き上がりの状態に差異があるなんて考えもしませんでした。
炊飯器の説明書をあまりよく読んだ事はないのですが、多分説明書にも書いてないのではないでしょうか。
仮に説明書に書いてあったとしても、きっと"炊き上がりに若干の違いがあります"のように書かれてあって、それを読んだとしても早炊きのほうが美味しく炊けるとは夢にも思わないのではないでしょうか。
当然、できるだけメニュー機能の"白米"の設定で炊くべきだと思っていました。
ですので、今日のご飯がいつもより美味しいのは、新米だからかな、産地を変えたからかな、体調がいいから美味しく感じるのかな、などと考えながら数十年炊き続けた結果、実はただ早炊きで炊いたから美味しかったという事に、つい最近気付いたということです。
先日、その事をお客様に話したところ、「私は普通に炊いたご飯が好きです」と、言われました。
好みは人それぞれですね。