『竜馬がゆく』を読み終えました。
2月16日に第一巻の記事を書き、本日が4月15日ですから、約2ヶ月かかりました。
読み終えた感想ですが、やはりこの小説は若い時に読むべき本であると思います。
今回は、なぜ若い人が読むべきなのか、なぜ自分にはあまり感情移入が出来なかったのかを中心に記事を書いて見ようと思います。
『竜馬がゆく(八)』あらすじ
慶応三年十月十三日、京都二条城の大広間で十五代将軍徳川慶喜は大政を奉還すると表明します。
幕府の三百年近い政権は幕を閉じました。
時勢はこのあと、坂道を転がるように維新へとたどり着きます。
しかし、竜馬がそれを見届けることはありませんでした。
『竜馬がゆく』を若い人が読むべき理由
『竜馬がゆく』には、夢を叶えるための仕組みや方法が書いてあります。
竜馬という人物が、どのようにして夢を叶えていったのか、その方法はとても多様です。
こつこつと積み重ねる努力もあれば、柔軟に自分の価値観を変え相手に合わせたり、時には強引なやり方で押し通す事もありました。
一貫しているのは、竜馬は如何なる時も自分の目的を達成することを優先しているという点です。
この部分に、感銘を受け、生きる指針にした人が多いからこそ、この小説は長く読み続けられているのではないでしょうか。
道を切り開いていく竜馬の生き方に触れる事で、人は、漠然とした将来への不安に希望を見出せるのだと思いました。
そして、それは迷いの中の若者にこそ有意義なのではないかと思います。
だからこそ、若者こそ『竜馬がゆく』を読むべきだと考えます。
私が『竜馬がゆく』に感情移入出来なかった理由
竜馬が31歳で暗殺されるまでに辿った軌跡は波瀾万丈ですが、私はあまり竜馬の人生に驚く事ができませんでした。
理由は2つです。
一つは、大政奉還以降の歴代が決してドラマティックで明るい出来事ばかりではないと知っている事。
もう一つは、私の年齢や生活環境が竜馬とはあまりにも違っていたため、当事者として竜馬と自分を重ねきれなかった事です。
つまり、幕末を生きる当事者の目線になりきれず、歴史の流れを追うだけの、傍観者の目線になってしまった事が、この小説に没入することが出来なかった理由なのではないかと思います。
『竜馬がゆく』という小説は、竜馬の行動に共感できる部分が多ければ多いほど、楽しめる作品だと思うので、その点は少し残念でした。
まとめ
先述したように、『竜馬がゆく』は、若い時に読み、元気をもらう小説だと思います。
私は出会うのが遅すぎたのかもしれません。
最後に、今回"『竜馬がゆく』を一巻から読んでゆくシリーズ"をやってみて、よかった点は、一巻ずつ感想を書くことで、物語全体の流れが理解出来た事。
死ぬまでに読みたいと思った本を読む機会を得た事。
一方で、悪かった点ですが、『竜馬がゆく』は読了までに時間がかかるため、他の本が読みたくても読めないといったところでしょうか。
それらを踏まえて、次回からの読書の参考にしたいと思います。
司馬遼太郎『竜馬がゆく(八)』(1975,9,25)文春文庫