以前、うちの店で働いていたスタッフが無類のB'zファンで、現在も髪を切りに来るたびに宿題(貸してもらったCDやDVDの感想を言う)を置いていきます。
彼女が勤務していた頃からB'zについてはいろいろと教えてもらっていたので、結果的に私は特別B'zが好きというわけでもない割にB'zに詳しい人になりました。
私はどちらかというと"B'zの二人が影響を受けた音楽"を聴いてきた世代なので、私からは、それらのバンドについてのエピソードや、B'zの曲の元ネタであろう曲を教えたりすることで、会話は弾んでいます。
今回の宿題はボリュームがありました。
DVD
・B'z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-
・B'z LIVE-GYM 2017-2018 -LIVE DINOSAUR-
・B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-
CD
・INABA /SALAS『Maximum Huavo』
B'zというアーティストの最も凄いところを挙げるなら、ありきたりな表現かもしれませんが"継続力"だと思います。
奥田民生がユニコーンを解散しソロになった時に「出来ればソロも解散したい」と言っていました。音楽活動を継続していくという事は、それくらい大変な事なのだと思います。
であるにも関わらず、約30年間一度も解散をせず、コンスタントにアルバムを出し、ツアーをし、商業的な実績も重ね続けているバンドが未だ嘗て存在したでしょうか。
私は、デビュー当時のB'zを初めて見た時、とても商業的なユニットがデビューしたと思っていました。しかし、そこから30年以上経った現在のB'zのライブを観る限り、商業的ユニットという軽薄さは微塵もありません。
国内のマーケットにおいて、ロックという音楽をやり続け、熟練職人の領域に達した演奏力とライブパフォーマンスを観ながら、B'zというアーティストに対し、私は畏敬の念のようなものを感じずにいられませんでした。
DVDごとに私がベストパフォーマンスだと思うシーンを挙げてみます。
【B'z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-】
後半の『スイマーよ‼︎』からの『BURN-フメツノフェイス-』のパフォーマンスがめちゃくちゃカッコ良かったです。どちらも好きな曲ですが、この二曲からのラストまでの盛り上がりは白眉でした。
【B'z LIVE-GYM 2017-2018 -LIVE DINOSAUR-】
私はB'zのバラードで一番好きな曲が『MOTEL』なのですが、このライブでのパフォーマンスが過去のMOTELの中で一番良かったと思います。アウトロのフェイクが特に最高でした。
【B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-】
完璧主義者、ミスターストイックといわれ常に完成度の高いパフォーマンスで知られるB'zのボーカリスト稲葉浩志ですが、こんな事があるのかと驚くくらい絶不調の稲葉浩志が見られます。
しかし、そんな稲葉浩志をステージは待ってはくれません。開演直前、緊張の面持ちと共に円陣を組むバンドメンバー。その絶不調の稲葉浩志の肩に手をまわし、大丈夫だよと言うかのように、ポンポンと二度背中叩くギタリスト松本孝弘の優しい気遣いが一番の見どころですよ! 奥さん‼︎
最後に稲葉浩志とスティービー・サラスのユニットINABA /SALASの2ndアルバム『Maximum Huavo』を聴いてみた感想です。
こちらは前作の『CHUBBY GROOVE』の方が個人的には好きです。ただ、稲葉浩志がB'zではあまりやる事はないデジタルな音色を"あえて"多用したくなる気持ちはよくわかります。クリエイターにとって未開の領域ほど魅力的な物はありません。スティービー・サラスも多様で実験的な音楽を好むアーティストなので、きっと意気投合したのではないかと想像します。
以上、B'zの宿題完了です。冒頭で特別B'zが好きでは無いと書きましたが、ここまで書きなかがらもしかすると、私は結構B'zが好きなのかもしれないと思えて来ました。宿題恐るべし。