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映画『DAWN OF THE DEAD』からみる、ゾンビ作品が面白い理由

 

原題『ドーンオブザデッド』邦題『ゾンビ』。全てのエンターテイメントにおいてこの作品があたえた影響は計り知れません。『バイオハザード』も『桐島、部活やめるってよ』も『ウォーキング・デッド』も、この作品が無かったら生まれる事はなかったでしょう。ゾンビものと言われる全ての作品は、この作品のオマージュであると言っても過言ではありません。

あらすじです。

"各地で死体がよみがえり人々を襲い始めてから3週間。社会の混乱は急速に広がっていました。

テレビ局に勤めるフランと恋人のスティーブンは悪化していく現状に見切りをつけ、友人でSWAT隊員のロジャーとその同僚ピーターと共にヘリコプターで脱出をします。都市部を離れ郊外の安全な場所を探しますが、混乱は郊外にも広がっており、4人は不安の中、空をさまよいます。

不眠不休でストレスもピークを迎えたころ、眼下に大型のショッピングモールがある事に気づきます。屋上にヘリを着陸させ中の様子を見ると物資は手付かずのままです。しかし、生ける死者が屋内、屋外を問わず至るところにあふれています。

食料と安全な場所を求めていた4人は、そのショッピングモールを自分達の居住地にするために、危険を承知で生ける死者に対し戦闘をしかけます。"

この作品もふくめゾンビを扱った作品の多くは、ゾンビが一体なんなんなのかという事にはあまり言及しません。

シンプルにゾンビだらけの環境下で生き残るための技術や、登場人物の心理が細かく描かれることで、観客は劇中で生活しているような錯覚と、自分ならどう行動するかという具体的なイメージを持ちやすくなり、荒唐無稽な話のはずなのに、リアリティーを感じるという体験をします。この現象がゾンビ作品が面白く感じる要因なのではないかと考えます。

この「フィクション作品であるにもかかわらず、自分のことのように観客に感じさせる」構造が、その後のゾンビ作品の作り手に影響を与え、現在に至るゾンビ作品のバリエーションに繋がっているのではないでしょうか。

監督:ジョージ・A・ロメロ『DAWN OF THE DEAD』1978年

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