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自閉症とテレパシー

 

息子は自分の意思を言葉で伝える事ができないので、一日のほとんどを決められたスケジュールや予告、指示を受けながら過ごしています。

とはいえ、息子の中に意思や主体性が無いわけではありません。息子は、私にどうしても伝えたいことがあると、私の目のまえに立ち、じっと目を見つめテレパシーを送ってきます。

 

【テレパシー】

テレパシー(英:telepathy) とは、ある人の心の内容が、言語・表情・身振りなどによらずに、直接に他の人の心に伝達されることで、 超感覚的知覚(ESP) の一種、かつ超能力の一種。 漢字表記で「精神感応」とも言われる。

 

私は、息子の思念(トイレに行きたい、水が飲みたい、おやつを食べたい、明日のスケジュールは?、今日あのテレビ番組はやるの?、そろそろ事業所のお迎えはくる?、など)をキャッチし、何を訴えているのかを瞬時に理解します。

 

以前は全くわかりませんでした。

そもそも、テレパシーで脳に直接語りかけたり、考えていることが目を見ただけでわかるなんて事はありえないと思っていたので、私はあたりまえのように、言葉での発語を促したり、カードなどの選択肢の中から希望するものを選ばせて意思の疎通をはかるなど、様々なコミュニケーションの方法を試行錯誤してきました。

しかし、どれもなかなかうまくいかず、何年も何年も「息子はいったい何をしたいのだろう…何を訴えているのだろう…」と考えているうちに、気がつけばテレパシーで交信出来るほどの超能力が覚醒してしまったというわけです!

 

…と、いうのは冗談で、実際は息子の表情(目の開き方、眉の角度、口角の上がり方、雰囲気)や、タイミング(時間帯、規則性、歩く速度)などから微妙なニュアンスが何となくわかるようになり、結構当たるようになったので、私がこれを勝手にテレパシーと呼んでいるだけです。

それでも当たる確率は約七割

なかなか頑張っている方だと思うのですが、調子が悪い時はまったく当たらず、そうなってしまうとひたすら息子と見つめあうだけの不思議な時間を過ごすということになります。

知らない人から見れば、"この二人は、いったい何をやっているのか?" と思うような光景ですが、それでも、このような一見意味があるのか無いのかわからないようなところに、なにか手がかりになるようなもの、大切なものが隠されているような気も、しないでもないのです。

言葉はなくても、伝えたいと思う姿勢、何かを感じ取ろうとする姿勢は、如何なるコミュニケーションにおいても大きな成果をもたらします。

テレパシーや超能力は少し飛躍しすぎかもしれませんが、一般的なセオリーだけに囚われず、自由で柔軟な発想も心掛け、楽しみながら療育ができたらと思っています。

 

 

 

 

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