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自閉症と療育手帳

  

 療育手帳という名前を聞いたことがあるでしょうか。

   私がその手帳の名前を聞いたのは今から15年前でした。

 

療育手帳とは

  

 療育手帳とは、知的障害者に都道府県知事が発行する障害者手帳のことです。

   18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者構成相談所が判定を行い、基準を満たしていれば交付されます。

 

   息子は3歳の時に医療機関で診察を受け、その時点で自閉症スペクトラムの診断を受けていましたが、特別支援学校に入学するまで、療育手帳の申請はしてませんでした。

   療育手帳の存在は知っていましたが、重度の障害だとは認識していなかった(したくなかった)ことと、障害者のレッテルを貼られてしまうかもしれない、といったネガティブな先入観はあったことが理由です。

 

   今思えば診断を受けた時点で申請をしておけはよかったと思います。

   何故なら、療育手帳によるメリットがとても大きいからです。

 

療育手帳のメリット

 

  具体的な療育手帳所持者の援助措置を、全て挙げるとかなりの数になるので、私が現在利用しているものを挙げてみます。

 

・特別児童手当

・国税、地方税の諸控除及び減免税

・高速道路の料金割引

・鉄道の旅客運賃や料金の割引

・宿泊施設、レジャー施設の割引

 

  中でも最も大きいのは特別児童手当だと思います。

  お金の話をすると少し生々しくなってしまいますが、大事な事なのであえて書きます。

 

   月額で障害の等級が一級は52200  二級は34770円の手当が支給されます。

  息子の場合は手帳の交付は6歳の時でした。

  その時点で判定は2級だったので、多分診断を受けた時点で申請していれば、入学時点までの3年間で約120万円、それ以外の援助措置も利用していたと考えて150万円以上の手当を受けていた計算になります。

 

療育手帳の申請を勧める理由

 

 年間50万円程度の金額なら、障害者というレッテルを貼られない方がまし、と考える人もいるでしょう。

   療育手帳の申請をするのもしないのも個人の自由です。

  

   しかし、私が危惧するのは、障害者のレッテルを貼られたくないと考える人が増えることで、障害者にレッテルを貼るという空気が生み出されるのではないかということです。

 

   極論だと言われるかもしれませんが、全ての障害を持つ人に負い目を感じさせないためにも、本当に困っている人は、我慢をせずに療育手帳を申請するべきだと思います。

   誠実な人、社会を考える人ほど、降りかかる困難を自分の責任と考え、自力でなんとかしなければと考えがちです。

 

   しかし、そうすることで、障害を抱えながら苦労をする人々がカウントされず、福祉の充実は遠ざかる一方です。

   本当に困っている人が、勇気を出して「困っている」と、声を上げる事が、結果的に困っている人を助けると私は考えます。

   そして、療育手帳というものがよく見かける一般的なものだと認識されるようになった時に、障害を持つ人も持たない人も不自由を感じない世の中になるのではないでしょうか。

   

まとめ

   

   以上のことから療育手帳の申請に迷っている人がいたとするなら、私は迷わず申請することを勧めます。

 

   療育手帳がさらに普及することで、福祉制度だけでなく、社会インフラはさらに充実するでしょう。

   

   援助措置によって、全ての自閉症スペクトラムの子どもたちが少しでも豊かな生活を送れることを願います。

   

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