コロナ禍により、リモーワーク、リモート飲み会、リモート配信など、離れた相手との新しいコミュニケーション方法に触れる機会が増えた方も多いのではないでしょうか。
私は、休校中の学校において"リモート授業"が行われると知った時、とても興味が湧きました。
大学では既に取り入れられている部分があると聞いていましたが、小中高の学校教育にリモート授業が取り入れられることで、ウィルス感染を防ぐだけでなく、いじめや不登校などの問題も解決するのではないかと思えたからです。
なので、これまで、学校の先生、教育に関わるご職業の方、実際にリモート授業を受けている学生のお客様がご来店されるたびに、「リモート授業はどうですか⁉︎」「リモート授業はうまくいってますか!?」と、かなり前のめりに数々のご質問をさせて頂いてきました。
もしかすると欝陶しいと感じたお客様もいるかもしれません。この場を借りてお詫びと、質問に心良く応じて頂きました事を心より感謝申し上げます。
以上のような経緯から今回は"私の考える理想的なリモート授業"というテーマで記事を書いてみようと思います。
私の考える理想的なリモート授業についての提案は3つです。
・動画テキストで授業を行う
・リモート授業を出席扱いとする
・学校の根本的なアップデート
あくまで個人的に考えたものなので現実的ではないかもしれませんが、宇都宮市の片隅に生きる一美容師のぼやきとして読んで頂ければ幸いです。
動画テキストで授業を行う
既に予備校などでは、有名講師による動画授業は一般的なものとなっています。
リモート授業といっても教師が黒板を使って行う授業スタイルをリアルタイムで配信する方法は、通信環境の差異から生じる遅延時間などを考えるとあまり効率が良いとは思えません。逆に、要点をまとめ、わかりやすく編集した動画テキストは、リモート授業にはとても相性がいいのではないでしょうか。
授業を全て動画にするのではなく、動画のテキストをもとに補足や解説を加えたオンライン授業が理想的ではないかと思います。
もう既に個人的に動画やパワーポイントを作り、独自に素晴らしい授業を行なっている先生もいらっしゃるかもしれません。しかし、全てのクラスが使用する動画テキストのクオリティを上げるためにも、これを機に担当教科の教師ごとに集まって頂き、協力して動画テキストを作成するという試みはどうでしょうか。
システムに見識の深い先生が撮影や編集をし、話術の得意なトーク部分を担当し、原稿作成や構成などは全員で行うなど、教科ごとにチームで動画テキストを制作するのです。
著名なYouTuberの動画編集方法や、サムネイル、効果音、字幕の付け方なども、参考になるでしょう。
動画テキストは教師のコンディションに左右される事もなく、聞き取りにくく体力も消耗してしまうマスク着用授業に比べ、わかりやすく有用性も高いのではないかと考えます。一度作ってしまえば、何度も使えるというメリットもあります。
私の考える理想的なリモート授業への第一の提案は動画テキストを用いる、という事です。
結構高めのハードルですが、チャレンジする価値はあると思います。
リモート授業を出席扱いとする
現在は、コロナ禍での緊急措置としてリモート授業は行われていますが、不登校の学生にとって再び学校授業が受けられるきっかけとなったという事例も多いと聞きました。
私がリモート授業のメリットとして一番に考えたのがこの分野です。不登校やいじめの弊害である学力の低下はリモート授業によってケアができるのではないかと思いました。
しかし、残念ながら問題があります。
現時点で文科省は学生がリモートで授業を受けたとしても、原則的に学校への"出席"とは認めていません。
コロナ禍の緊急措置として実施されているリモート授業ですが、制度的には学校外での学習となるため出席とは認めらないそうなのです。
学校外での授業を出席扱いにしてしまうと、不登校を助長する可能性がある、というのが理由らしいのですが、今のところこの制度が変わらない限り、リモート授業はあくまで急ごしらえの授業方法のまま、クオリティも上がらず、忘れられてしまう取り組みになってしまうかもしれません。
在宅などでリモート授業を受けた学生が、登校した学生と同じように出席日数を得られるような制度が整うことが、私の考える理想的なリモート授業のために越えなければならない2つ目の提案です。
学校の根本的なアップデート
リモート授業を受けた学生達の学力が上がらなければ、リモート授業を導入したとしてもすぐに廃止されるでしょう。
リモート授業が有意義であると証明するには、実際にリモート授業を受けた学生自身が、実際に理解度が上がったという実績を残すしかありません。
成果が上がるのにどのくらい時間がかかるのかもわかりません。取り組む価値があるか、従来の授業に戻すべきか意見の別れるところもあるでしょう。
しかし、私はリモート授業の可能性を信じたいと思います。
全ての授業をリモート授業にするべきと考えているわけではありません。
ウェブ会議システム「Zoom」を用いたリモート授業であれば、登校する生徒と在宅の生徒が同時に授業を行う事も可能です。
システム内にある非公開対話を用いれば、人前での発言が苦手な学生もストレスなく発言でき、それはさらに授業内容に留まらない深い対話のきっかけになるかもしれません。
今後発生する可能性がゼロではない新たな新型ウィルスの備えという意味においては、リモート授業の必要性は言うまでもありません。
しかし、私がリモート授業を導入するべきと考える最も大きな理由は、他にあります。
"人は負荷をかけるよりも、負荷を取り除くほうが成長する"と考えるからです。
学校という仕組みに負荷を感じる人が多いのであれば、負荷を取り除いた仕組みを作ることは急務です。
・薬物の規制を無くした事で薬物依存者が減ったポルトガルの取り組み。
・刑務所の環境改善で再犯率が世界最低になったノルウェー。
・宿題の無いフィンランドは学力世界一。
いずれも、負荷を課すのでは無く、負荷を取り除く事で成功得た事例です。
私の考える理想的なリモート授業のための最後の提案は、リモート授業を用いて"学校を根本的にアップデートする"ことです。
そしてそれは、教育現場のストレス軽減という理念のもとに作られるべきでしょう。
教師も学生も学習に対するストレスが軽減され、学習の意義を前向きに考えられるようになれば、教育はより良い相乗効果が得られ、結果も自ずとついてくるのではないでしょうか。
まとめ
以上、私が考える理想的なリモート授業のための3つの提案です。
・動画テキストの使用
・リモート授業を出席として扱う
・学校の根本的なアップデート
良質なリモート授業が行われるようになれば勉強はきっと楽しくなります。
勉強が楽しくなれば、人生も楽しくなり、生活も豊かになる。大丈夫!
という訳で、ここまで読んで頂きありがとうございます。
最近少しお休みしてましたが、これからも定期的にアップしていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。